和傘・番傘・蛇の目傘の取扱い方法と辻倉からのお願い

和傘の使用方法

和傘を持ち歩く際には頭のほうを握るように持つか、蛇の目傘なら頭についている紐を、番傘なら頭に止めてある革紐をお持ちください。

雨傘(番傘・蛇の目傘)の開け方

雨傘は防水の為に植物性の油を和紙の表面に施しています。
そのために油で開けにくい場合があります。
中の手元ロクロの下部を軽く持ち、上に押し上げてゆっくりと丁寧に開けてください。

雨天時に雨傘を使用した場合

雨の日に使用した後は、水切りをした後に、傘を中開き、または全開にし、日陰に干してください。
※雨で濡れた傘を布でふき取りますと、和紙をいため、劣化を早めることになります。
乾いたら傘はゆるめに閉じ、風通しのよいところにお仕舞いください。買ったばかりの状態で、締輪(形を整えるための輪)も外さずしまい込んでしまうと、傘の寿命を短くします。締輪をはずし、傘をゆるめて、風通しのよい所に保管してください。

和紙の色の変化について

雨傘は防水の為に植物性の油を和紙の表面にほどこしています。
そのため、油の特性により時を経ていくにつれ、うす黄色から亜麻色へと色づいていきます。
特に白い和傘は使い込むほどに深みが増し、味わいのある色へと変わってまいります。
和傘の強度には影響はございません。
自然素材ならではの特性をお楽しみいただきたく存じます。

和傘の寿命

保存状態がよければ、十年前の傘でも使用できます。
雨傘は防水のために油引きをするため、油による硬化作用の影響で、使用するしないにかかわらず、年数が経てば和紙の劣化はさけられません。
パリパリと破れてしまうような状態なら、もうすでに和紙の寿命はなくなっていますで、新しい傘にお取替えください。
なお、日傘・舞傘など油の引いてない傘は、雨傘に比べ和紙の寿命は数倍あるため長持ちいたします。

張替えや修理について

張替えをする為には、まず、骨とロクロをつなぐ糸が切れていない事、骨が折れていない事が前提となります。
その上で、漆・和紙・糊を、骨に傷をつけないようきれいに剥がし、張替えにかかります。このはがす作業がとても大変で手間がかかります。新しい傘をご購入いただくことをお勧めします。
ただし、どうしても修理して残しておかなければならないような傘の場合はご相談ください。
現物を拝見した上で、ご相談に応じます。
和紙が破れた場合、状態によって修理方法は異なります。
小さな穴は花びらの形の和紙で塞ぎ、防水を施します。

修理の方法は色々ありますが、和紙の種類や色を合せることは不可能です。ただ、お問い合わせの多くは、紙の寿命がすでになく、修理されるより購入されたほうがよいと思われる場合が多いです。骨が折れている時も修理不可能です。
傘は開くが、止具が引っ込んでしまい、傘が閉じてしまう場合、止具(ハジキ)が不良です。修理は可能です。
和傘は自然素材で作られているため、消耗品とお考え頂きたいのですが、出来るだけ長くお持ちいただきたい。と願っております。何かお困りの時はご連絡ください。

舞台でご使用いただくにあたりまして

弊社の和傘は通常の雨傘、日傘としてご使用いただけるように製作しております。
通常の傘の開閉など、実用には十分ご使用に耐えるように作られておりますが、舞踏などにご使用の際、大きく振り回す、傘の柄を強く打ち付ける、などの所作により過剰な負荷がかかり、傘が破損する場合がございます。
傘の要となります、傘骨を繋ぐ糸が切れてしまいますと、修理ができなくなってしまいます。
その点をご留意いただき、ご使用に際しては何卒ご配慮賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

和傘のお引き取りをしております

弊社ではお買い上げいただきました傘で、長年のうちにご使用頂けなくなった傘をお引き取りしています。
古い傘と引き換えに、お買い換えの際にご使用いただける優待券(蛇の目傘、番傘¥2,000、和日傘¥1,000)をお渡ししています。

お引き取りしました和傘は、よりよい製品作りの為の研究材料として、今後に生かして参ります。