和傘の歴史

日本で最初に確認できる書物として「日本書記」(720年)があります。
このころの傘は木の棒に布を張った天蓋(てんがい)のようなもので、開閉することができず、開いたままの
ものでした。
欽明天皇(509年~571年・古墳時代)の頃で、552年に百済の国から仏像や経典などとともに「蓋」(きぬが
さ)が贈られた。という記録が残っています。
文献以外でも4世紀末~5世紀初頭の古墳や調度品に「蓋」(きぬがさ)が描かれています。
空から降りかかる邪気(じゃき)から大切な人を護るために考えられ、王様や貴族、僧侶、神官などだけが使
える権威の象徴でもありました。

和傘は、中国から伝来した「天蓋」が起源です。日本には6世紀頃に伝来し、当初は貴人の権力の象徴として使用されていました。
安土桃山時代にハジキという部品の伝来により、自由に開閉できる和傘が誕生しました。また、この頃から庶民の間でも傘が使われるようになり、江戸時代中期以降には分業制の発達により、一般の人々にも手頃な価格で和傘が普及するようになりました。

和傘は、単に雨具としてだけでなく、装いにアクセントを付けるファッションの小道具としても用いられ、様々な技巧やデザインを凝らした和傘が生まれました。また、歌舞伎や日本舞踊、茶道などにも取り入れられ、それぞれの伝統美を付加した独自の進化を遂げました。

現在、主な和傘の種類としては、以下のようなものがあります。

・番傘:太い竹の骨に和紙を張った素朴な雨傘
・蛇の目傘:小骨に5色の糸で飾りを入れた細身の雨傘
・日傘:雨傘とは異なり、和紙に油を引かずに張った傘

和傘は、日本の伝統工芸品として、その美しさや技術が世界中から高く評価されています。